ぷーんと背筋にくるような軽い音をたてて飛ぶ
知らない間に腕に止まって
血を吸っていたりする「蚊」。
夏の風物詩のひとつともいえる、嫌われものです。
この小型の昆虫は世界中に約2,000種類いて、
どこの国でも同じように迷惑がられています。
英語では “Mosquito”、モスキートと発音します。
ただ、色んな言い方があるんです。
それをご紹介いたします。
知ってたらスゴイ蚊も!?英語の読み方あれこれ
Mosquito という名前はスペイン語で
「小さいハエ」を意味する言葉から来ています。
英語で複数にするときは “-es” をつけて
“Mosquitoes”発音はモスキートスになります。
「蚊に食われた」という場合、英語では
“I was bitten by a mosquito.”
蚊に刺された、という言い方をします。
蚊に食われた刺されあとは
“mosquito bite”(モスキート・バイト)です。
ところでこのmosquito モスキート という名前、
目に付かないほど小さい虫にしては
何だが仰々しい長い名前なので、
もう少し呼びやすい、気安く呼べる
別の名前もあるといいですね。
アメリカではmosquitoの頭の
“mos” をとって“mossie” と
呼ぶことがあります。
読み方は マッスィー と聞こえます。
オーストラリア英語では “mussie” と綴りますが、
発音は同じです。
“nipper” ニッパーという呼び方もあります。
nipはつねる、つつくの意味です。
ちくりとやる奴という言い方で、
アメリカの南部で使われます。
アメリカの中西部ではちょっと崩して “mitsy”
ミッツィーと呼びます。
Mitsy は女の子のファーストネームなのですが
そういえば、血を吸う蚊は全てメスなんですよね。
もう一つ、mosquito の後のほうの音をくだいて
“skeeter” スキーターという呼び方もあります。
マッスィーやミッツィーよりも
スキーターのほうが、
歯切れが良くてかわいい感じがします。
スキーターは蚊そのものを指すよりも
蚊に関連する他のものについて
「蚊にかかわっている」というような気持ちで
使うことのほうが多い言葉です。
Skeeter Syndrome スキーター・シンドローム
というのは蚊にアレルギーのある人が、
蚊にさされて刺され跡が
大きく真っ赤に腫れ上がってしまう症状のこと。
Skeeter Guy スキーター・ガイといえば
蚊の防虫作業をしてくれる作業員のことです。
蚊の呼び分け!知って雑学王!!英語の読み方更に教えます!!
山に行くと飛んでいる、
少しからだが黒くて刺されると、
かゆいというより痛い、縞々のある蚊
「やぶ蚊」は英語で
“bush mosquito” ブッシュ・モスキート
Bushはやぶ、なので日本語と同じ発想の名前です。
蚊にもいろいろと種類があります。
ふつうのmosquito とは区別して、
特定の種類の蚊を指すことが
必要な場合は種類名を言うのが一般的です。
- House Mosquito ハウス・モスキート
- Southern Mosquito サザン・モスキート
- Tiger Mosquito タイガー・モスキート
などがいますが、蚊を種類名まで
呼ぶ機会はめったにありません。
ただ、最近はいろいろな伝染病が
世界中に広まっているため、
このウィルスを運ぶ生き物として
特定の蚊の名前が新聞やニュースに
出てくることがあります。
こういった場合はその有害な
種類の蚊の学名をつかいます。
“anopheles ” アノフェレスといえば
マラリアを媒介する蚊
この蚊を日本ではハマダラカと呼んでいます。
この蚊はそもそもアメリカにはいない蚊なので
英語で「○○モスキート」という
普通に使う種類名がありません。
そのためマラリアを運ぶ虫はモスキートではなく、
アノフェレスと呼ばれます。
黄熱病やデング熱などの
熱帯性の熱病を媒介する蚊は
“aedes” イーデスと呼ばれます。
これも生物の学名をそのまま使っています。
“anopheles” も “aedes” も、
もともとはラテン語の学名なので、
生物の学名として使うときは
頭が大文字になります。
蚊の種類として普通名詞の用法では
頭が小文字になります。
単語として、英語化したということです。
山道や水辺の地表から1メートルくらい
上のところを小さい、埃みたいな虫が
群れて塊になって飛んでいる、
なんだか虫の雲みたいなもの。
見たことありますか。
この虫はヌカカという虫で、
蚊の仲間とは違うのですが
こういった小さい小さい虫は、
普通の蚊と一緒くたにして
「蚊」とか呼んでしまうことがあります。
こういう使い方で、目に見えないような
小さい虫が飛んでいるのを指す、
“punkie” パンキーという言葉があります。
“punky” と書くこともあります。
アメリカのヌカカには蚊のように
人の血を吸うものが多くこれに刺されると
かなり痛いので、このうっとうしい奴らを
punkie でひとまとめにして呼んでいます。
イギリスでは mosquito を使わず、
“gnat” ナァトと呼ぶのが普通です。
この gnat はアメリカ英語では
アブ、ブヨの仲間を指しますが、
イギリス英語ではこのあたりの仲間を
まとめてgnat ですませます。
gnat という単語は日本語の「蚊」と
同じように一音節なので発音が、
これ以上ないほど単純です。
モスキートと呼ぶ代わりにナァトで済ませる、
というのはシンプルでよいですね。
最後に、蚊の幼虫のボウフラ。
この虫は “wiggler” ウィグラーと呼ばれます。
“wiggle” は上下や左右に
すばやくちょこちょこ動くこと
ボウフラが水の中で動く様子から名づけられました。
まとめ
とても身近な虫なのですが、
あまりつぶさに見ることはない虫です。
英語の名前には、総じて「うっとうしい奴」
という意識が働いているような
音を選んだ名前が多いですね。
蚊を遠ざけるいろいろな道具、
防虫スプレーとか蚊が嫌いな匂い、
音を出すツールなどをまとめて
“skeeter screen” スキーター・スクリーンといいます。
夏のバックヤードでバーベキューをするときには、
このスキーター・スクリーンが大活躍します。
SK-SKとつながった、リズム感のある
言葉を使っているのを聞くと、この厄介者も
結構かわいがってもらっているようです。