今は仲良し夫婦・家族ですが、
我が家には一度だけ離婚危機になった時がありました。
旦那さんとすれ違い、分かり合うことが出来ず、
ついには赤ちゃんがいるのに離婚まで考えた時の話です。
もめたきっかけも子供、
夫婦をつないでくれたのもまた、子供でした。
目次
初めての子育てですべての愛情が子供に向かった
初めて長男を産んだ時、
私は「母親になったんだ」という感情より、
可愛くて可愛くて、愛おしい気持ちが、
ただひたすら大爆発していました(笑)
信じられないくらい小さな指、
まだ笑うこともできない小さな顔、
抱くと眠ることだけでも可愛くて。
もう、旦那さんと自分という夫婦の世界が一変し、
もう他なんて見えてない状態になっていました。
あんなに痛かったはずのお産の
地獄とも思える時間。
それすら吹き飛んでいました。
入院中も旦那さんが電話してくれても
「子供の話」ばかりでした。
「今日はこんな風に眠ってね、
一緒にこんな時間を過ごしたよ、元気だよ」と。
この時は旦那さんも「そうかそうか」
という感じで楽しそうに聞いてくれていたんです。
退院して子供をうちへ迎え入れた時、
すっごくうれしくて感動しました。
「これから、パパとママになっていくんだなあ。
もうなってるんだけど」としみじみ。
今までは夫婦二人で、
わりと自由にうまく時間を使って暮らしていましたし、
私たちは基本的に「干渉しない、マイペース夫婦」
という関係でした。
それで、ほどよく楽しく生活ができていたのですが、
子供を迎えてからというもの本当に子供中心。
むしろ
「親になったんだからこれが当然だ。普通、普通」
と感じていたくらいです。
愛情は今まで旦那さんだけにありましたが、
私の中にあるすべての愛情が子供に向かいました。
新生児ということもあり、
もう旦那さんのことがほとんど
頭にないくらいになりました。
子育て中なぜか旦那にイライラして生理的に受け付けない
しばらくして、基本的な赤ちゃんのお世話に慣れてきた頃、
まだ授乳も頻回の子供と旦那さんの帰りを待っていました。
でも、そこでなんか気になることが増えてきたのです。
本当に以前はなんっとも思わなかったことが、
いちいち目につくようになりました。
「帰ってきたけど、ちゃんと手洗ってくれたのかな?」
「着替えずにいきなり抱っこしないでよ。
ばいきんにまだまだ弱い時期なんだから」
「旦那さんってなんでこんなに汚い感じなんだろう…」
という自分でもなんでこんなことを思ってしまうのかが、
わからなかったのですが…。
赤ちゃんはとても繊細で、
宝物のように思うのに対して、
まるで旦那さんは汚れもの扱い。
旦那さんのやることなすこと、
赤ちゃんと結びつけてしまって、
なぜか生理的に受け付けないのです。
そしてこのころからケンカが増えていきました。
最初は手を洗った?と聞かれても
「ああ、洗ってくる!」
と言っていた旦那さんも
だんだん毎日帰ってすぐに言われるものだから
「ちょっと待てよ。今ついたところなんだから!」
とイライラするようになりました。
このちょっとしたことの積み重なりで最後には
「俺はいるだけでそんなに汚いのか。毎日うるさいんだよ」
と旦那さんの不満が爆発。
私も、
「新生児抱えてるのに清潔にしてって言って何が悪いの?」
みたいな感じでしたし。
今思うことは「私は過剰だった」ということです。
でも、この時は赤ちゃんで精いっぱいで、
生理的に受け付けなくなっている自分に対して
原因を考えようとしたり、
客観的に見ることが、まるでできていませんでした。
子育てで経験ない程の寝不足でつらい気分に
新生児の子育てはとにかくありえないほど
「寝不足」になりました。
当たり前かもしれませんが、
10分~20分もまとめて睡眠がとれない
という経験はありません。
2時間おきの授乳と、おむつ替え。
それだけであっという間に夜が明けてしまいます。
立ったままでも変な体勢でも
いつでも目を閉じればやってくる睡魔と戦っていました。
そこでふと見ると、仕事で疲れた旦那さんが、
寝室にもいかずソファーで爆睡…。
なんにも悪いことはしてないんです。
ただ疲れ切って寝ているだけなのです。
それでも無性に腹が立ち、
「私の目の前でいびきかいて寝るな!」
と思ってしまったのです。
そして、我慢できなくなり、
旦那さんをつんつんとつついて
「寝室で寝てくれない?」と言ってしまったのです。
すると、つらそうに起きた旦那さんが
「もういいかげんにしろ。
お前は最近、俺の話をろくに聞いてもくれない」
「くたくたになって帰ってきて、
寝るところまでぶつぶつ言うのか」
と怒りました。
私はため息をついて
「毎日ほとんど寝てもないのに、
話聞く余裕なんかないよ」と…。
そこで限界だった旦那さんがこう言ったのです。
「子供が産まれてくる前の方が、
今よりも楽しかった。幸せだった」
この言葉を聞いたときは、
心の中がぐしゃっと潰されるような気持ちになりました。
どうしてこんなに可愛いわが子の前で
そんなことが言えるのか?
それは今の毎日を、
全否定してるんじゃないのか?
そう感じてついつい
「じゃあ、もういいよ。
私と離れて前みたいに自由気ままにやりなよ」
と返してしまい頭の中で「離婚」の二文字が横切りました。
赤ちゃんが目の前にいるのにも関わらず、
もうお互いに止めることができなかったのです。
「こうしてほしい」という自分の気持ちの押しつけ
これ以上のやりとりはお互い感情的になっていて、
はっきり覚えていませんが
この日私は赤ちゃんを抱いてぼろぼろと泣きました。
旦那さんが仕事へ行って、
子供とふたりきりになった瞬間、
無性に泣けてきたのです。
不思議とこの日は、
はじめて赤ちゃんがまとめて4時間眠ってくれた日でした。
私はソファーの上で赤ちゃんを抱いたまま、
眠ってしまいました。
通常なら4時間でも短いのですが、
この時期はこの4時間がとても貴重で長かったです。
ふと目が覚めると、いつもよりすっきりしていて、
旦那さんのことが急に頭に浮かびました。
ここで初めて少しだけ
体にも心にも余裕ができたんですね。
ケンカのやりとりを思い出して、
よくよく子供ができてからの自分を思い返しました。
私の感情として、
「赤ちゃんをとにかく守りたい・大切にしたい」
という思いで、
「はじめての出産・育児」の中で、
自分でもブレーキのかけられない思い、不安、疲れ。
これを旦那さんに「もっとこうしてよ」と求めることで
解消しようとしていたのです。
当時はここまではっきりと理解できませんでしたが、
今では分かっています。
少し睡眠がとれただけで
「落ち着いた気持ち」「後悔」が
湧いてくるのですから不思議です。
自分の「こうしてほしい」という気持ちだけを
旦那さんにひたすら押しつけていました。
そして、子供を迎えてからの旦那さんの状況・心境を、
ひたすら赤ちゃんにだけ夢中で、
なんにも知らないということに気づいたのでした。
子育てのイライラを反省し旦那さんの思いにも目を向ける
旦那さんが帰宅して、気まずい空気の中、
子供をあやしながら話し合いました。
というより、
旦那さんにも言いたいこと・私に聞いて欲しいことが
たまっていたようでとにかく聞いてくれ
という雰囲気でしたので、
なんにも言わないで聞くことにしました。
その内容は、
子供が生まれたことは本当に嬉しく、
かわいいということからはじまり、
今まで毎日「今日は仕事どうだった?」と
笑って聞いてきてくれた私がまったくかまわなくなったこと、
旦那さんも子供が出来たことで
「もっと頑張らなくてはいけない」と責任感が増えたこと。
カップルの延長線上のようだった夫婦が、
母親・父親らしくなることへの葛藤もあったようです。
そして「生理的に受け付けてない素振り・拒否感」が
すごく傷ついたと言っていました。
私が子育てに盲目になりすぎたことで、
旦那さんを傷つけていたのです。
そんなにショックだったことは、
聞くまで本当に分かっていませんでした。
でも確かに汚いとかって言われるのは
人として気分が悪いし、言い方も悪かったと反省しました。
そして私は
「今日、4時間寝てくれたから、私も寝たの」
と話し、まるで
「もめないで~ケンカはやめて~」
と息子が私に睡眠をとらせてくれたのかと思ったこと。
旦那さんに対する愛情と理解が
足りなかったことを謝りまして、
「可愛い子供のためにも
離婚なんていうのだけはやめよう」
と旦那さんと約束しました。
まとめ
女性が持つ「母性」とは本当に、
時には自分でも恐ろしいほど、
性格や体質や感情まで変えてしまうものなんだなと
感じています。
赤ちゃんがお腹にいる「10カ月間」の間に、
母親・父親になる準備をしておけばいいというのは
「理想」であって「現実」とは違うものです。
体感できない旦那さんにとっては、
子供を実際に目の当たりにしてから
本当に実感をします。
ここで感じるプレッシャーは、
女性とは違って「本能的に乗り越えられる」わけではありません。
今まで自分だけのものだった妻が、
母となったことで急に変わってしまうことに戸惑い、
仕事にも責任も感じ、将来の事をもっと重く、
確かに感じていることでしょう。
私は、今あの時の旦那さんに目もくれなかった自分を、
母親として恥じてはいません。
でも、「あの時離婚しないで、心から良かったな」と感じています。
次男も産まれ4人家族となった今は、
汚いだのなんだの、お構いなしですからね(笑)