あなたは、いなり寿司が好きですか？
ふっくらジューシーで優しい味わいの油揚げで
酢飯を包んだいなり寿司。
大人も子どもも大好きなお寿司のひとつではないでしょうか？
いなり寿司の語源は、稲荷神の使いである狐の好物が
油揚げであることに由来します。
また、いなり寿司の発祥は、愛知県豊川市にある
「豊川稲荷」の門前町であると言われています。
そんな、いなり寿司ですか、
よく見てみると、包み方が2種類あるのをご存じですか？
一般的に多くみられるのは、
お揚げが表向きになって包まれているものですが、
お揚げが裏返しになって包まれているいなり寿司もあります。
では、お揚げが裏返しになって包まれているいなり寿司には
どんな意味があるのでしょうか？
結論から言うと
縁起を担いでいるんです。
詳しく説明していきますね。
いなり寿司でお揚げが裏返しなものにはどんな意味があるの?
「縁起を担いでいる」とは、どういうことでしょうか。
実は歴史があるんです。
東京六本木に「おつな寿司」というお店があって
明治8年創業で、140年余りの歴史がある名店です。
その「おつな寿司」の初代の女将が作った
お揚げを裏返しにしてシャリを包んだ、
粋で一風変わったいなり寿司が大評判となって、
次第に人気を集めていきました。
六本木という立地には、
昔より近くにテレビ局があります。
テレビスタッフから制作現場の差し入れや
高視聴率のお祝い品にとよく利用されていたのが、
「おつな寿司」のいなり寿司だったんです。
お揚げが裏返しになってシャリが包まれているため、
「裏（番組）を食う」という語呂で縁起を担ぎ、
テレビ業界の差し入れとして好まれるようになりました。
これが、お揚げが裏返しに包まれているいなり寿司の
「縁起を担いでいる」理由です。
この話を知ると、お揚げが裏返しに包まれているいなり寿司は、
とても粋なものに思えますね。
いなり寿司でお揚げが裏返しなものは美味しいの?どんなお店で売ってるの?
では、お揚げが裏返しに包まれているいなり寿司は
実際に食べてみるとおいしいのでしょうか？
また、一般的なお揚げが表向きに包まれているいなり寿司と
どう違うのでしょうか？
違いとしては、口に入れた時の食感が違います。
お揚げが表向きに包まれているいなり寿司に比べて
裏返しに包まれているいなり寿司は、
柔らかな口当たりでよりジューシーに感じられ、独特の食感です。
お揚げが表向きに包まれているいなり寿司と
裏返しに包まれているいなり寿司とを食べ比べてみると
その違いがよくわかると思います。
ぜひご自身で食べ比べてみてください。
それでは、お揚げが裏返しに包まれているいなり寿司を
売っている有名なお店を2つご紹介します。
まずは、先ほどもご紹介した「おつな寿司」です。
六本木きっての老舗寿司屋で、
いなり寿司は歴史のあるおもたせです。
継ぎ足して使い続けてきた秘伝の煮汁で炊き上げたお揚げは、
人の手で一枚一枚裏返されて、
煮汁の中で一晩寝かせているんだとのこと。
なお、シャリには四国産の柚子の皮が混ぜ込まれています。
柚子が旬を迎える11～12月に一年分を一気に仕込み、
冷凍保存して、翌年まで大切に使っています。
裏返しのお揚げによって
ふっくらと厚みを感じる独特の食感がたまらない逸品です。
続いてご紹介するのは「銀座白金や（ぷらちなや）」です。
2013年にオープンした比較的新しいお店ですが、
「いなり寿司」と言えば「銀座白金や」と
言われるほどの有名店です。
テレビ番組でもたびたび紹介されています。
こちらのお店の看板は「一口いなり」です。
近くの歌舞伎座への楽屋見舞いの
御遣い物としても利用されています。
そのため、歌舞伎役者さんがメイクをしたままでも
食べやすいようにと、一口サイズで作られています。
このお店では、「特製ゆずいなり」が
お揚げが裏返しで包まれているいなり寿司です。
柚子と炊き上げたお揚げが、
裏返しになっていることで、優しい口当たりとなっています。
柚子の皮を刻み込んだ優しい風味のシャリが詰められており、
さわやかな香りが広がる、人気のいなり寿司です。
その他にも「名代焼きいなり」など、
数種類のいなり寿司が販売されています。
どちらも一度は食べておきたい、いなり寿司の名店です。
食べ比べてみるのもいいですね。
まとめ
いなり寿司でお揚げが裏返しなものの意味は
テレビ業界で「裏（番組）を食う」という、高視聴率の縁起もの
です。
お揚げが裏返しのいなり寿司が売っている有名なお店は
- 六本木「おつな寿司」
- 東銀座「銀座白金や」
です。
ぜひ、足を運んで食べてみてください。
また、ご自身で手作りされてみるのもいいですね。
お揚げを表向きにしたいなり寿司と
裏返しにしたいなり寿司と両方を作ってみて
食べ比べてみると、ご自身の好みを見つけられるでしょう。
裏返しといえば「カリフォルニアロール」や
「タンポポオムライス」なんかもありますよね。
こちらも、表向きのものとは違った味わいや趣があります。
いろいろな食べ物に着目してみると
そのものの歴史や誕生の背景を知ることができ、
とても面白いですね。
食事の際に少しアンテナを張ってみると
新たな発見があるかもしれませんよ。
