お客様と向き合い対応をこなす接客業。
そんな人たちが抱える悩みの種が、
クレーム対応です。
強気な態度で責め立てられたら
どんな人でも参ってしまいますよね。
さらに、もし対応を間違えて
同僚や上司にも睨まれて孤立したら。
そう考えると焦って
頭が真っ白になってしまうことも。
そんなクレーム対応も、
実は恐れることはありません。
予めコツや要点を押さえて備えて置けば、
的確に対処が出来ます。
今回は、そんなクレーム対応に関するお話を
していきます。
目次
接客業でクレームを受けやすい人はどんなタイプ?
融通が利かない
頭が固くマニュアル通りの対応しかしない人や
細かな配慮ができない人。
そんなタイプはクレームになりやすいです。
機械的な受け答えで無愛想な人は、
誰しも良い印象を抱きません。
また、プライドが邪魔して
他のスタッフに助けを求めない。
自分だけで解決しようと
意固地になるのもNGです。
マナーや身だしなみがなっていない
マナーや身だしなみが悪いと当然、
相手の印象を悪くします。
また、クレーム対応中のよそ見、
気だるげな態度、見た目が不潔。
これらの要因は相手を興奮させるばかりです。
意思の弱そうな人、声の小さい人
気が弱そうな見た目の人も
クレームにつながりやすいです。
クレーマーも相手を選びます。
気が強そうな人、顔が怖い人に
わざわざクレームを入れません。
愛嬌がない
あなたの周囲に失敗続きでも、
何故か嫌われないタイプはいませんか?
それは愛嬌があるからです。
明るく元気で、
笑顔の絶えない朗らかな人格。
そんな人は自然と相手の怒りを沈めます。
接客業で笑顔やあいさつが大事とされるのは、
そんな理由からです。
焦りやすい
クレームが来たからと、
焦って反射的に動いてしまうのは危険です。
誰だって、相手の話を良く聞かなければ、
適切な対応はできません。
いい加減な対応や、的はずれの応答。
それでは、さらに相手を不快にさせてしまいます。
理解不足と説明不足
商品やサービスについて
理解があやふやな時は要注意。
そのまま接客すると以前と話が違う、
他の人と言っていることが違う。
そんな風にお客様と揉めてしまい、
騒ぎになります。
また、話を分かりやすくしようと
要点を絞る時も慎重に。
こちらが説明していない部分は
相手の想像で補われます。
結果、互いの理解に差が出て
勘違いからクレームが起きてしまいます。
否定的な対応
クレーム対応時、そんな訳はないと
言いたくなる場面もあるでしょう。
しかし、否定から入るのは良くありません。
たとえ、本当にお客様の勘違いであってもです。
誤解を解くまでは、
当人にとってそれが真実なのです。
まずは相手の主張をしっかりと
聞き入れる姿勢を示しましょう。
今日から使える接客業でクレーム対応をのコツとは?
相手の心情を理解した上での「お詫び」
まずは、お客様に不快な思いを
させてしまったことをお詫びします。
申し訳ございませんと、
ただただ繰り返すのはいけません。
「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。
お話をお聞かせ願えますか?」
と、相手の気持ちに寄り添った態度で
お詫びをすることが大切です。
相手の話を聴いて理解を深める。
そして、相手の気持ちを静める。
クレーム対応では、つい
「早く済ませてしまいたい」と思いがちです。
しかし、そういう気持ちは
すぐ相手の方に伝わるもの。
そういった態度は
火に油を注ぐ結果となってしまいます。
まず一旦、相手には気の済むまで
お話しいただくのがポイントです。
最低でも3分間は、
腰を据えて相手のお話をじっくり聴きましょう。
こちらの言い分があっても、
一通り話が終わるまで誠実に話を聴く。
これが最大のポイントです。
話の内容のみでなく、
相手の感情まで理解すること。
そこに気を配れば、相手の不快さや怒りは、
徐々に静まっていきます。
クレーム時のお客さまは、
応対者の言動に対してとても敏感です。
よって、対応者が
「お客さまの感情までしっかりと理解していますよ」
と、相手に共感をアピールする必要があります。
そのことが相手に安心感を持たせ、
信頼関係の構築に繋がります。
こうして、相手が冷静になってから
正確な状況を把握していきます。
そして、 お客さまになんらかの
被害が出ていると思われる場合。
健康状態等を心配する一言も大切です。
クレーム対応で「聴く」姿勢を
見せるために大切なこと。
それは話に「頷き」適度な「相槌」を
「声に出して」行うことです。
クレーム対応に適した環境作り
クレーム対応には落ち着いて話せる場所を選びましょう。
対応する場の上座や下座の位置関係も徹底します。
「あなたは大切な方です」と態度で示すのです。
また、人は他人の目があると
興奮や怒りが増す傾向にあります。
落ち着いて一対一で話せる別室に
案内しましょう。
音楽、アロマ、お茶、感情を
リラックスさせる道具もあると安心です。
声、態度に注意する
激昂した人を相手するとき、
無表情やヘラヘラした表情は禁物です。
あくまでも温和に、
そして神妙な顔付きで聴くことがポイント。
人は余裕がないと、緊張をほぐそうと
無意識に口が緩んでしまいます。
小さい子供が怒られている時に
笑顔をみせる事がありますよね?
それも同じ原因です。
無意識の笑顔がヘラヘラしていると
取られてしまうこともあります。
口元を引き締め、表情に気を付けましょう。
必要なことはすべて記録する
小さなことでも、
正確な記録をとることが重要です。
相手の話の中で、重要なものを
強調して残しておくのもポイントです。
いつ、どこでトラブルが発生したか?
どんな事が起こって、
何に対して不満を感じていらっしゃるのか?
問題点はどこにあたるか?
こちらに対して、
どんな対応を求めているのか?
そして次に、断片的な話をまとめ、
事実をわかりやすく整理します。
整理した内容についても、
質問を取って確認し、
認識を共有します。
質問は、短く、簡潔に、趣旨を
明確にして行うように心がけます。
問題の解決策や代替案を提案する
事実を確認した後は相手に
「解決策」や「代替案」を提示します。
ただし、その際も一方的に提案してはいけません。
お客様が選べるいくつかの選択肢を挙げるようにします。
あくまでお客さまの側に立って
話を進めるようにしましょう。
そうする事で、最大限の「誠意」を見せ、
信頼を頂けるようにします。
ただし、常識的に考えて
度が過ぎる対応はすべきではありません。
悪質なクレーマーに
漬け込む隙を与えてしまいます。
また、こちらの非が見受けられず、
お客さまに「お断り」をする際
言葉選びは慎重に行ってください。
業界用語や専門用語はここでは封印。
日常で使用する「分かりやすい言葉」を用います。
また「規則だから」「法令、条例で決まっているから」
そういった言葉も控えましょう。
和解をするときには示談書をもらう
金銭の支出が発生する場合には、
和解書や示談書を用意します。
こうすれば、金銭の支払い後、
クレームの再燃を防ぐのに役立ちます。
クレームは再燃する場合が多い事を
覚えておきましょう。
また、和解の際には、お詫び状も必要です。
お詫び状は相応の立場の者が、
こちらの落ち度をきちんと認めること。
今後のことをよく考えて、
誠意ある文面で発信することが重要です。
まずは事実関係と、
こちらの落ち度や責任の所在を書きます。
こうすることでお客様と認識を共有します。
その後、謝るべきことについては
はっきりとお詫びをしましょう。
謝罪のあとに、事情の説明や、
今後の対処方法を述べます。
最後は、同じミスを犯さないという決意を
示すよう心がけましょう。
ワープロ文書は先方に誠意が伝わりにくいので
手書きが好ましいです。
「感謝」の気持ちを伝える
お客様の指摘から、
業務改善に繋がるヒントを得る場合もあります。
その場合は、貴重な意見を頂いた旨を
感謝しお礼を述べましょう。
すると、お客様は自分の行動が
正当化されたと感じて安心します。
また、この会社・組織はクレームを前向きに捉えている。
そんな評価から会社への満足度が高まります。
まとめ
クレーム対応は扱いが難しく、
責任や緊張が伴う大変な仕事です。
ですが、だからこそ。
この仕事に取り組む方には誇りと自信を持って頂きたいと思います。
今回、紹介した情報が
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。