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社会問題化する高齢者の運転事故が急増した原因と国の対策は?

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最近後を絶たない “高齢者の運転事故”

 

もちろん事故を起こしているのは
高齢者だけではありませんが

最近ニュースなどで
連続して報道されたことで
一つの社会問題となっています。

 

高齢化に伴い、高齢者の人口に比例して
高齢者の自動車使用率も増加しています。

 

当たり前のようですが、
だからと言って「仕方ない」では済みません。

 

今回は、高齢者の運転事故が
急増した原因と対策について
紹介いたします。

高齢者の運転事故が急増している原因は?

加齢は、ある日突然に来るのではなく
徐々にやってきます。

ですので、やはり自分ではその変化に
気づきにくいものなのです。

 

特に運転に関係してくるものは
「視力・視野の広さ」と「判断力」です。

運転中は視覚からの情報がとても重要です。

 

対向車や歩行者、信号や交通案内など
様々な情報を一度に確認しなければならないので
視力が落ち、さらに視野が狭まっている状態での運転は
大変危険です。

 

視力以上に重要なのが「判断力」
これは、危機管理能力にも繋がるので
交通事故を防ぐのに大変重要な能力です。

 

ある実験で
交差点で対向車が来ている状態で右折をする
という運転シミュレーションを
若者と高齢者に体験してもらいました。

 

若者は対向車とのすれ違うまでの余裕は平均1.9秒
高齢者は0.7秒早い、平均1.2秒でした。

 

時間で言われてもわかりづらいですよね。
距離で考えてみましょう。

 

若者が右折する際、対向車は32m先にいました。
ですが、高齢者が右折する際の、
対向車との距離は20m。

 

時間では僅か0.7秒の違いですが
距離にすると12mも違うのです。

 

つまり、高齢者は
対向車がわりと近くまで来ていても
交差点を曲がろうとしてしまう可能性が高い

 

言い換えると、危険を察知するのが
平均で0.7秒の差が生じるというわけなのです。

 

その分、事故に繋がる可能性が上がっている
ということです。

 

そして、これら以上に
交通事故の原因となっていることがあります。

 

それは「自分の運転技術に対する自信」です。

“猿も木から落ちる”という有名な諺があるように
人間、慣れたころが一番ミスをしやすくなりますね。

 

高齢ドライバーの人たちは
それこそ何十年も自動車を運転しているのです。

今まで事故を起こしたことがなければ
「自分は安全運転で大丈夫」と思うのは
無理もない話です。

 

実際に「事故を回避する自信はあるか」
というアンケートに対して
70歳以上のイエスと回答した人の割合が
急に上がっています。
75歳以上でのイエス割合は53%に達しているのです。

 

そうなると、“交通ルール”よりも
“自分の経験” を元に運転するので
一時停止や左右確認など
だんだんと疎かになってしまいます。
(これは運転者なら誰しもが注意すべき点ですが、、、)

高齢者の運転事故を防ぐための現在の対策は?

例えば、「70歳以上は運転禁止」としてしまえば
高齢者の交通事故が減るのは一目瞭然です。

 

一定の歳に達したら、免許を回収するべきだ
という意見もでています。

 

ですが、このようなルールが通らないのも
簡単に察しがつきます。

「70歳以上=運転が危ない」
とは一概には言えません。

 

また、電車やバスなどの公共交通機関が
発達している地域は良いのですが
地方で一人暮らしや夫婦暮らしをしていると
どうしても車なしでは生活できない現状があるのです。

 

何よりも、運転免許証というのは
立派な資格です。

 

高齢だからという理由だけで
それを取り上げてしまうのは
道理にかなっていません。

 

そこで、一部の地域では
事故を防ぐための取り組みを
自動車教習所で行っています。

 

足や頭、車にセンサーを付け、
教習所内で教官付き添いの下
普段通りに運転します。

 

そうすると、センサーが運転手の動きを記録し、
データとして自分がどのように運転しているのか
後で確認することができます。

・左右もしくはどちらか一方の確認が十分でない
・ブレーキをかけるのが遅い

など、自分では気が付かない癖を自覚することで
実際に公道で運転する時に
より注意を払うことができます。

 

最近の対策としては
「認知機能の検査」を強化しています。

 

75歳以上の運転者は、3年ごとの更新時に
認知機能の検査を受けることになっています。

 

それに加え、更新時に関係なく
交通違反をした時に臨時で検査を受けることが
義務付けられました。

 

その際に認知症と診断されると
免許証の取り消し、または停止となります。

 

運転免許証の自主返納を促す活動もしています。
自主返納の制度自体は1998年から始まっています。

 

ですが、前述したように
「車がないと日常生活に支障をきたす」
という人もたくさんいます。

 

当初よりは自主返納した人の割合は
増えているとはいえ、
まだまだ十分ではありません。

 

そこで、各都道府県では
「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」
が発足され自主返納してくれた人に対して
様々な特典サービスを用意しました。

・運転経歴証明書の発行

・バスやタクシーなどで利用できる金券

・運転経歴証明書の提示によるバスやタクシーの割引

・買い物代行サービス

・その他送迎サービス

など、地域により違いはありますが
車が無くても不便にならないように
対策をとっています。

 

ですが、やはり自分で運転した方が融通がききますので
なかなか思うようには広まってはいないのが現実です。

 

心配している家族も多くいますが
なかなか自主返納を促すことができずにいます。

・自尊心を傷つけてしまうのではないか
・運転をやめたら、老いが進んでしまうのではないか
・引きこもりになってしまわないか

という不安点から、なかなか説得に至りません。

 

私にも、80歳を超える祖父がいますが
今でもほとんど毎日運転しています。

 

とても田舎に住んでいて、
やはり買い物や病院に行くのに
必要不可欠となっています。

 

一人暮らしではないのですが、
日中はみんな仕事に出てしまっているので
結局、自分で運転します。

 

家族も「あんまり運転しないで」
と言っていますが
やめる気はなさそうです、、、

 

やはり、免許の自主返納は
本人の意思でしないと、難しいですね。

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高齢者の運転事故を防ぐ為に検討してる今後の対策は?

高齢者の運転事故で最も多いのが
“アクセルとブレーキの踏み間違い” です。
そこで、オートバックスグループが
踏み間違いの防止装置を発売しました。

 

時速10㎞未満の徐行時にアクセルを急に踏み込んでも
加速しないという装置です。

 

さらに、時速80㎞で走行中も歩行者を認識する
自動ブレーキも開発中です。

 

予約すると、自宅まで迎えに来てくれて
相乗りできる「デマンドタクシー」というものがあり、
自治体が費用を一部負担するので
安い料金で利用できます。

 

さらに、過疎地域では
道の駅と山間部を走る「自動運転のバス」が
2020年の導入を目指し、検討されています。

まとめ

交通事故となると、運転手は加害者になり
運が悪ければ、命に関わってきます。

 

高齢者の「運転したい」という気持ちを尊敬しながらも
事故予防のために
社会と高齢者の双方が意識しなければならない問題です。

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