様々なペットが飼われるようになりましたが、
やっぱり犬は一線を画す存在ですよね。
室内で飼う小型犬から、庭で飼う大型犬まで、
実に様々な犬が飼われています。
ペットの中でも、特に犬は
「人生のパートナー」というイメージが強い、
特別な存在といえるでしょう。
大事なワンちゃんとの時間を少しでも楽しく過ごし、
また少しでも快適な生活を送ってもらうために、
専門店では多くのグッズが売られています。
その中で、ひときわ賛否が分かれるグッズがありますね。
犬用の洋服です。
特に近年は、
ちょっとしたブランド物まで見られますよね。
専門店に行けばかなり豊富なデザインから選べるし、
自分で作ることもできます。
しかしそもそも、
「犬に服を着せるべきかどうか」
という点で、意見が分かれているところです。
私は結論から言えば、
基本的に着せない方がいい、と思っています。
犬種や状態によっても違うので、一概には言えませんが、
本来は着ないものだろうと思うのです。
犬に着せる服について、ちょっと考えてみましょう。
犬に服を着せるのは賛否両論アリ!?ちゃんと考えたい犬の体温調節の話
犬に服を着せた場合、一番心配なのは、
体温を上手に調整できなくなることです。
犬は人間のように汗をかくことができないため、
服を着たことで体温が上がりすぎたときに、
体を自分で冷やすことができません。
私は外を歩いていて、
夏場にタンクトップを着せられた犬を見たことがありますが、
暑いなら着せないほうがマシです。
「裸では寒そうだから」
「人間だって服を着ているのに」
と言われることがありますが、
犬という動物は服を着るようにはできていないのです。
一部の小型犬や、
トイプードルのようにトリミングが特殊な犬種、
年老いた老犬でない限り、
寒くてかわいそうということはありません。
人間は暑さ寒さに応じて服を着替えますが、
犬は毛皮をまとった状態で、
上手に体温調整ができるようになっています。
「服を着せたほうが可愛い」
という声も聞いたことがあります。
ペットなのだから、
可愛くしたい気持ちもわかります。
しかし、大切なペットなら、
まずはそのペットの都合を考えてやるべきではないでしょうか。
犬が自分で服を脱ぎ着できるわけではありません。
暑くても重くても動きにくくても、
犬は我慢して着ているしかないのです。
たまに、おしゃれのために薄着や厚着をして、
無理している人がいますが、
もっと大きな負担を犬にかけていることになってしまいます。
人間が服を着るのと、犬が服を着せられているのとでは、
その意味が大きく違ってしまうのです。
犬に服を着せる事の賛否!犬種と季節によっては犬にも服が必要かも!?
私は、犬に限らずすべての動物について、
基本的に服は必要ないと思っています。
もともと、動物は服など着なくても
生活できるように体ができています。
もっとも大きな違いは、毛皮の有無です。
人間は長い歴史の中で、自分の毛皮でないものを、
自分で作って身に着ける生活に適応してきました。
そのため、ほかの動物と比べると、
人間にはほとんど体毛がありません。
気温や気候に合わせて着るものを変えることで、
体温を簡単に調整できるようにしているのです。
人間が裸や薄着でいると風邪をひいてしまうのは、
適切な服を着ることを前提にした体だからです。
今時、生きる 生命温存の ために服を着ている人は
なかなかいないと思いますが、
これが本来の服の意味です。
では、犬の場合はどうでしょう?
たいていの場合、犬は全身に毛が生えていますね。
人間が洋服を着る代わりに、
犬は自分の毛皮で体温を調整するようにできています。
そのため、犬にとって
服を着ている状態は不自然になります。
人間でいえば、
ちょうど心地よい暖かさの服の上から、
厚手のコートを着せられたようなものです。
これでは、服を着せられた犬は、
自分で体温を調整することができなくなってしまいます。
ただし、
トイプードルのように極端に体毛を短く刈ってしまう犬種や、
年老いた老犬、室内飼育している小型犬を外に連れ出す場合は、
かえって着せたほうがいいこともあります。
トイプードルのように極端に短く毛を刈ってしまう場合、
そのままでは体が冷えすぎてしまうかもしれません。
エアコンの効いた室内ならいいですが、
寒い日に外へ連れ出すなら、服を着せるのもアリでしょう。
また、犬種を問わず老犬の場合、
体温を保ちにくくなっていることもあります。
この場合も、寒い日には
暖かい服を着せてやるといいでしょう。
ずっと室内飼育している小型犬も同様です。
いずれにせよ、自分で安易に決めるのではなく、
獣医さんに相談して決めたほうが無難です。
まとめ
大事なペット、人生のパートナーだから、
おしゃれを楽しみたいという気持ちはわかります。
裸では寒いんじゃないか、というやさしい気持ちは、
ペットを飼う上で必要な、大切な気持ちです。
しかし、その気持ちは、本当に
「犬」という動物のことを考えたものでしょうか。
相手は「犬」であって、「人間」ではないし、
その意味では「お友達」でも「家族」でもないのです。
大切に思うからこそ、
「犬」という動物を正しく理解し、
必要なことをしてやりましょう。