中学生にもなってくると、
子育てというより「付き合い」になってきますよね。
いろいろ話してくれなくなったり、
機嫌にアップダウンがあったり。
親としては心配でも、
どこまで踏み込むか悩むこともあります。
私は今は母となっていますが、
中学生の時は一番しんどい時期でした。
親とのやり取りの中で、
当時中学生だった私が感じていたこと、
母となった今だからこそわかる思いを、
中学生の子供側の目線から紹介いたします。
目次
多感な中学生は精神的に安定しない大変な時期
中学生は、感受性が強くなる時期で
いつもどこか不安定です。
まず、人間関係が小学生時代より
ずっと大人びてきます。
親から見ればまだまだ子供ですが、
本人からすると必死に人生を歩んでいます。
他人から見ればささいなことでも、
一生懸命悩んでいたりするのです。
友達関係も、くだらないことを一生懸命頑張って、
中学生なりに努力しています。
ここで、大人のいう事が
すっと聞き入れられないのは、
「上からものを言われる」ことに
抵抗を感じる時期だからです。
言わないだけで恋愛もしているでしょう。
心も揺れ動きが大きいのです。
ここで大人から
「いつか大人になればわかるわよ」
とか
「若いなあ」
なんて笑って言われると
なんとなく腹が立つのです。
「自分だってもう子供じゃないし、
それなりに考えてるのに」
と大人に向かって壁を作りたくなってしまいます。
こういうちょっとした親、
大人からの目線や感情を敏感に感じています。
要するに、バカにしないで欲しいし、
今の自分の世界をまともに見てもらいたいのです。
この必死さとちょっと大人に牙をむいてみたいところが
「子供」なんですが(笑)
それでもこの中学生になった自分の世界を、
上からでなく同じ目線で見て欲しいのです。
だから言葉も生意気になったりします。
悪気はないのです。
できるなら、
何も言わず受け止めてもらいたいのです。
これを上手く言葉に出して伝えることさえ、
当時はできませんでしたね。
親の気持ちを分かってないわけではない
はっきり言って「本当に」わかるのは
親になってからです。私は自分でそう思いました。
でもなんにも分かっていないわけではありません。
親が自分に対してイライラしていることや、
気持ち、なんとなく求められてる姿。
そういうものは、中学生なりに理解しています。
どんなに口では反発していても、
部屋にこもっていても、分かっています。
ここでも言えるのが
「子ども扱い」しすぎるといけないということです。
それこそ「もうわかってると思うけど」と
少し大人扱いされたいのが本当のところなんです。
親としては、分かってないと思うのも仕方ないことです。
それは本当の意味では親が正しいのです。
大切だからこそ気になっているのだし、
心配だから言うのです。
でも子供側からすると
「それは分かってるけど今は無理、うざったい」
という心境です。
自分でもうまくコントロールできないんですよね。
素直になるのも恥ずかしくなる時です。
ここでピンポイントに
「友達となんかあった?」
とか
「失恋でもした?」
など直球で聞かれても答えることができません。
まして
「もしかしていじめとかにあってないよね?」
とでも言われると、心が繊細になっているので、
丸裸にされるような言葉は拒絶したくなってしまいます。
できるなら
本人の口から何か言うまで待ってあげてください。
自分の心に鍵をかけておきたい
子供が小さいうちは、
親がなにもかも把握して主導権を握り、育てます。
でも中学生くらいになると
「自分のこころのなかの部屋」
みたいなものができます。
誰にも見せない・入らせたくない内緒の部屋です。
ここに鍵をかけておくことで、
安心して自分の世界を守り、
学校でも部活でも礼儀を持って、
努力することができます。
親が思うより、外では愛想笑いもしていたり、
ダメなことをちゃんとわかっていたりします。
親にすべてさらけ出さなくても、
自分のやり方でちゃんと世間を見ているのです。
ここを無理にこじ開けられてしまうと、
逃げ場を失います。
嫌なことがあった時、悩んだ時、
一目散に「お母さーん」とはもうならないのです。
この自分の部屋の中で、
誰にも邪魔されないで考えたり、
少し立ち止まったりします。
誰でも人には見せたくない一面や、
本心はあるじゃないですか。
それがあってこそ、
きちんと世の中を渡っていける。
中学生も同じです。
でもこういうことを自分でまだ理解しきれていないので、
態度や言葉で反発したり、
もうほっといて欲しいという感情につながります。
どこかで親が絶対的な存在なのは
まだ変わらない歳なので、
とっても伝え方が不器用なんですね。
本人もそれでいっぱいいっぱいなのです。
「成長したんだな」と
むしろ子供を褒めてあげるべきことです。
そして心の鍵はかけさせてあげてください。
大人になってから
「あの時の親の対応はすごい」と感じますよ。
ほっといてほしいけど見捨てないで欲しい
では、いつでもほっとけばいいのか
と言われるとそうでもありません。
やっぱり無関心でいられるのは嫌なのです。
この気持ちも実は自分がまだ完璧じゃない、
答えが正しいかわからないというのが
自分でうすうす分かっているのです。
でもそのことに気が付いておらず、
「なんとなくのモヤモヤ」として
一括りにしてしまいます。
距離はとってもらいたいけど、
忘れられたくはないのです。
だから、突っ込んでいくのではなく、
たまに近づいてちょっと覗いたら、待つ。
「気にかけているよ」ということだけは
伝えてあげたいのです。
腹が立つ言い方をするときは、
親に対してではなく、
他のことで悩んでいる時期。
要するに八つ当たりが多いのです。
八つ当たりが出来るのは「甘えている証拠」です。
今までの親の愛情がなければ
八つ当たりはできません。
イライラもしますし、腹も立ちますが
「甘えてきたわが子」を許してやってください。
きっとその分先輩や、友達などには
気を使っているのです。
家では気を許しているから、
親には横柄な態度になったりします。
「ほっといてほしいけど見捨てないで」
という距離感を考えてあげてくれませんか。
中学生は、葛藤の多い、悩み多き年頃なのです。
あとから絶対に気が付いてくれます。
「あの時はごめんね」と。
子育てでイライラせずに信じてあげることが重要
この年頃になるとうまいことを言って、
嘘をつくことも増えてきます。
都合が悪くなると逃げたり、
無視したりすることもあるでしょう。
それでも
「どうせあなたは〇〇だからもういい」や
「手に負えない」など
諦めの言葉はかけないようにしてあげて欲しいのです。
実はこれは内心とっても傷つく言葉です。
顔には出さなくてもショックです。
親に信じてもらえないことは、
子供にとってとてもつらいことです。
親だって人間ですから、
あんまりな態度を取られていると疲れますし、
言っても聞かないからと
あきらめたくなる時もあるのはよくわかります。
でも「どうせ」「もういいや」というのは、
否定された気持ちになります。
どちらかと言えば「わかった」のほうがいいですね。
「わかったよ」とだけ返して、
内心イライラしていてもいいんですよ(笑)
怒ってから、「あ~また怒っちゃった」と
反省するのが親だったりしますし。
いつかは分かるはず、
と子供を信じてあげる気持ちは、伝わります。
どれだけ生意気になっても、
融通が利かない頑固者でも、信じるのです。
親のすごさは見放さないでいられることですよね。
私も、母になってから
自分の親のすごさ・ありがたさを実感しました。
まとめ
小さい時はあんなに可愛かったのに…
と思う時もありますよね。
どんどん成長する子供に、複雑な心境にもなります。
思春期の子供は、
ちょっとトゲトゲしています。
でも親に受けた愛情があるからこそ、
この思春期を乗り切れるのです。
腹が立つ瞬間も多いですが
「見守っている」という目線でいてあげてください。
いつかは必ず、
この時のことを思い起こす日が来ますから!