夏を代表する花の一つ、
ひまわり。
太陽を思わせるその花の形と
濃い黄色の花びら
明るい緑の茎と葉は
夏の日差しによく映えます。
その花は太陽を追うという
この植物は
一年草としては驚くほど大きく、
夏の盛りに花の盛りが重なることから
夏を代表する花といえます。
草丈は人の背を越して、
時には3メートルを越すことがあります。
手近なところで育てたいと思う場合には、
ちょっと大きすぎるひまわり。
背の低いひまわりを育てるには、
まず、ひまわりの品種を
正しく選ぶ必要があります。
ひまわりを低く育てるのに向いている品種8選!
ひまわりは植物の種類としては
一種類だけですが、
品種が非常に多く、
100品種以上のひまわりがあります。
もともとは北アメリカの植物でしたが、
スペインの船がアメリカからヨーロッパへ持ち帰り、
その後、ヨーロッパ全土へ広がりました。
当初はその油脂を食用として利用していました。
特にロシアでは、
その種を食料として常食するようになり、
19世紀の半ばには、
民衆の食料として広まっています。
有名なゴッホの「ひまわり」の絵は、
花瓶に挿された
10本ほどのひまわりを描いています。
この絵の描かれた当時、
1888年のヨーロッパには、
ひまわりを鑑賞する
習慣があったことがわかります。
普通に見かける背の高いひまわり、
2メートルくらいの草丈で
花びらが明るい黄色で長くて多く、
花の中心の、後で
種になるところが薄い緑色をした大きな花。
このひまわりはロシアという品種で、
大型のひまわりの代表的なものです。
ひまわりは品種によって、草丈だけでなく
花の大きさや花びらの色、大きさ、数と
中心部の色、葉の色や形が変わってきます。
ひまわりの花の色については、
「ひまわり色」という言葉があり、
これはやや赤みがかった深い黄色です。
角度によっては
オレンジ色に見えることがあります。
但し、実は品種によって花の色はさまざまで、
明るく軽いレモン色のものから
明るいオレンジ色の花、
赤みがかった褐色に近いものまであります。
周りに咲いていたら
少し気をつけて見てみてください。
黄色味のない白い花、紫がかったもの、
一枚の花びらの中で
色が変わっていくものなど、
驚くほど多彩な花色のひまわりが
見られるはずです。
小さい、背の低いひまわりには
いくつかの品種がありますが、
もっとも代表的なものは、
「小夏」というひまわりです。
花壇に植えた場合で草丈は25cmほど、
小さい鉢やプランターでも育てることができます。
花は直径10cmほどの
可愛らしいひまわりになります。
世界最小のヒマワリといわれており、
普通に「ミニヒマワリ」といわれて売っているのがこの小夏です。
花の黄色が濃く、中心部はこげ茶色
ロシアなどのひまわりの花は横を向いて咲きますが、
小夏の花はやや上を向いて咲きます。
この小夏は花粉が出ないため、
室内に置くにもよく、
花持ちがよいので長い間、
花を楽しむことができます。
「テディーベア」は八重咲きのひまわりで、
草丈50~80cmの上にオレンジ色がかった
球形の花をつけます。
八重咲きの花びらが前後に重なって、
ふわふわした感じがすることから、
この名を付けられています。
「グッドスマイル」という品種は、
咲かせる条件によって、
花の大きさや草丈を
変えることができるひまわりです。
夏に庭に蒔けば、
草丈50cm、花は16cmほどになりますが、
鉢植えにして少しの土で育てると、
草丈10cmで8cmほどの花が咲きます。
秋に蒔いても、
最低温度10~15度を維持できれば花が咲きます。
このひまわりも花粉が出ませんので、
室内で育てるのに向いています。
但し、小夏にしてもグッドスマイルにしても、
花粉の出にくいひまわりは、
受粉しにくいので種は付きにくく、
このために花が長持ちするので、
種を取ることは考えずに、
花を楽しんでください。
このほかにも
「マンチキン」や「ソリータ」、
「かがやき」、「ジュニア」、
などといった品種が
背の低いひまわりとして挙げられます。
背の低いひまわりの育て方の基本と注意点
ひまわりは、
土の養分を吸収する力が強いため、
根がよく張ります。
これは、小さいひまわりの場合も同じなので、
プランターを使うか、鉢植えにする場合は、
深めの鉢を選んでください。
土は普通に手に入る
園芸用の培養土で大丈夫です。
土をプランターか鉢に入れて、浅く穴をあけ、
種はとがったほうが下向きになるように入れて、
土をかけます。
ひまわりの種は栄養価が高く、
鳥たちの餌として食べられやすいので、
種が土の表面から見えていないように
気をつけてください。
庭に蒔く場合、
蒔いた種の上に2cmくらい土が
乗っているほうが安全です。
ベランダの場合は、
鉢かポットにラップでカバーをかけましょう。
一つの穴に二つ三つ入れるか、
小夏の場合は15cmくらいの間隔で
種を蒔いて、朝、晩と水をやり、
土が乾かないようにしましょう。
芽から葉が出てきたら育ちの悪いものを
間引くようにします。
ひまわりは、日当たりのよい、
風通しのよいところを好みます。
日光の少ないところで育てると、
ひょろひょろした体になるうえ、
病原菌や虫害に対して弱い株になります。
花の数を多くしたいときは、
最初に花が咲いた時点で、芽や花を切り落とすと、
そのあと脇芽が出てきて、いくつもつぼみが出来ます。
肥料をあげすぎると、
かえって弱い株になります。
育ちが悪いときは固形肥料を少なめに、
ひと月に一度あげるくらいで十分です。
まとめ
小型のひまわりは、
プランターやポットで育てることができます。
花を楽しむように品種改良されたものが多く、
部屋のインテリアとしても最適です。
マンションのベランダや室内で育てることもできますし、
庭の花壇があるなら、
他の草花との混栽や花壇の周りを
囲うように咲かせることもできます。
夏の日差しを凝縮したような力強い、
ひまわりの花を生活のアクセントにして、
身近なところから、活力のある季節を
楽しめるといいですね。