夏から秋にかけて日本に接近する台風。
なかなか当たらない予報に
うんざりすることも多いですね。
朝見た天気予報では、
今日は一日中晴れって言っていたから、
秋冬用の毛布を干して外出したのに…。
昼過ぎから雨が降り出すなんて、ついていない。
先日の私の体験談です。
どうやら、そろそろ来る予定の台風が影響した模様。
台風が関わると天気予報の的中率は低いような気がします。
そんなイメージの台風予報ですが、
実は高性能のスーパーコンピュータを用いて作成されています。
「スーパーコンピュータ」で予想していると知った当時は、
さぞかし当たるのだろうと思っていましたが、
外れることも多いのですね。
ではなぜ外れるのでしょうか。
原因は大まかに分けて2つあります。
データの不足と、そのデータに基づいた
「シミュレーションの限界です。
簡単に言うと、台風自体が複雑であり、
なおかつ日本の地形も複雑すぎるため、
予想すること自体が難しいのです。
詳しく説明していきますね。
台風の予想はどのように行われてるの?
まず大前提として、台風は基本的に
暖かい南から寒い北へ向かって移動します。
また、気圧の高いほうから低いほうへと移動します。
赤道付近の暖かい海で発生した台風は、しばらく北上し、
「太平洋高気圧」またの名を「小笠原高気圧」という、
小笠原諸島方面から日本の近くにある高気圧にぶつかります。
夏になると、「太平洋高気圧」が最盛期を迎えるため、
台風はこれに沿って日本に接近してきます。
ではどうやって予想するのでしょうか。
台風発生時は、
台風の「進路」と「強度」(気圧や風速など)の
予報を作成します。
気象庁では、全世界の気象情報が入った
スーパーコンピュータのシミュレーションによって、
これらを予想します。
スーパーコンピュータの中には、
気象庁の予報データはもちろんのこと、
実際の観測データや、
外国の気象予報データなどが入っています。
これらすべてを利用して、予報は作成されます。
シミュレーションの際は、
一辺約20㎞の正方形のマス目を使用して、
日本を細分化します。
そのマス目ごとの温度や気圧、風などのデータを、
スーパーコンピュータに入力することで、
台風の進みやすい方向を算出することができます。
方向はいくつかあり、
その中から、気象予報士が最終進路を決定します。
そして、予報円の作成や補正などを行い、
予報として伝えられます。
台風予報を見ると、
進路上には円が表示されますよね。
この円は「予報円」と言い、この中のどこかを通ります
ということなのです。
台風は強度によっても進路が変わります。
肝心の強度ですが、おおまかに
- 「発生期」
- 「発達期」
- 「最盛期」
- 「衰退期」
の4つに分けることができます。
日本に接近する台風は、
主に「最盛期」と「衰退期」です。
強度の予報には、気象衛星の画像を使用します。
それをもとに、雲の大きさ、雲の広がり、温度など
様々なデータを用いて、
強度や特性を予想し、決定します。
台風の予想が外れるのはなぜ?どれくらいの確率で当たるの?
実は、台風は摩擦を避ける傾向があります。
中心部分、つまり台風の目との摩擦が
できる限り小さくなる場所を選んで進むのです。
そのため、スーパーコンピュータのシミュレーションは、
摩擦が少ない海上での精度はとても高いです。
しかし、海と違い、
陸地は障害物や凹凸があるため、
摩擦が大きく、風の吹く向きも様々。
特に日本列島は、山が多く、
複雑な地形の為、予想すること自体がとても難しいです。
シミュレーションをする際にも問題が発生します。
マス目の単位で予想は行われるので、
現実とのギャップが生じ、
マス目より小さい規模の気象予報は困難を極めます。
また、すべてのマス目のデータを観測し、
入手することは困難なため、データが不足してしまいます。
入力するデータが完全ではないため、
結果に誤差が生じてしまうのです。
この入力するデータは、
新しければ新しいほど当たります。
つまり、
明日、明後日と先に行くほど当たりにくくなります。
実は、当たる確率は70%と比較的高確率なんです。
「外れた」と感じるポイントは、
台風予報の見方によるものです。
あなたは台風予報の天気図を見たとき、
どこに注目しますか?
以前の私は中心しか見ていませんでした。
進路の中心しか見ていなければ、
「外れた」と錯覚するのもうなずけます。
まとめ
台風の予想が外れる主な原因は
- データ不足
- シミュレーションの限界
です。
日本列島はとても複雑な地形をしているので、
予想するにも限界があります。
また、台風そのものが異常気象であり、
気まぐれに進むため、予想が困難です。
これからは、このことを心に留めておきましょう。
また、当たらないことのほうが多い
と思っていた台風の予想は、
なんと70%の高確率で的中。
私個人的には半分を割っているものと思っていました…。
外れてばっかり…と思っていたのは、
進路の中心しか見ていなかったからかもしれません。
台風予報を見る際は、
予報円を見て台風対策をするのが
理想的かもしれませんね。
もし直撃しなくても、
「円のどこを通るかは台風の気分次第」
と思えば、少しは気が晴れるのではないでしょうか。